東方合体ゲンソウオー伍式解説
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東方合体ゲンソウオー伍式の解説です。
以下の内容は
作詞、作編曲等を行った僕が作るにあたって意図した事でありさほど重要な事ではありません。
一番大切なのは聴いた人がどう感じたかであるので「へー、そうなんだー」程度に捉えてください。
それと出来れば以下の解説についてはCDやDL販売等で聴いた後に読んでくれると良いと思います。
解説
告白しますと、今回過去最高に時間が厳しかったです。
というのも春にHeavy Metal Touhouを出していた上、夏の同じタイミングでJORMUNGANDまであったからです。
「じゃあ遅らせればよかったんじゃ?」と思われるかもしれませんが、そうなるとわりと本格的にいつ出せるか怪しく、どこかしらのタイミングで頑張らないとまずい事に変わりはなかったのです。
前作の肆式がかなり良い出来だったと思っているので如何様にすべきか悩んだのですが、結果的に今までそれほどメインにしていなかったギターにスポットを当てる事にしました。
なんせ前作の時点で歌詞と歌のアプローチに関して大幅に見直しが入り、以降も熱さという意味ではそこまで大きな研究成果が出ておりませんでした。
それに対してギターはかなり多様な研究成果が出ており勝負するだけの価値があったので。
故に今回はシンセでもオーケストラでもなく、アプローチの多くをギターに頼っています。
その結果アレンジ全体が荒々しいものとなり、過激な雰囲気を作れたのではないかと思っています。
JORMUNGANDと同時発売なので意識したのはベースについてです。
あっちの坂さんが弾くベースとこっちで僕が弾くベースはかなり方向性が異なっているんですが、負けないように頑張りました。
ゲンソウオーにおける僕のベースは動きまくりでリズムがハーフになった箇所なんかは歌にかなり寄っていきます。
テクニカルな事は滅多にしませんがアニソンベースみたいなのは僕の領域なので。
ゲンソウオーはソロ曲も実は結構大変でして、合唱曲の印象が強く出るためソロが捨て曲として認識される可能性が非常に高いのです。
映画で言うところのアベンジャーズやエクスペンダブルズが個々でも輝いているから尚燃えるように、ソロ曲でも心を捉えていなければゲンソウオーの熱さを本当に伝える事はできないと思うのです。
また、前作同様に発売イベントのコミケ88で最強に熱いCDを目指しました。
他に目指す人がいるのかは不明ですが、この方向性で負けたくないのだ。
僕はゲンソウオーが好きなので作る際はいつも悩みます。
悩む要因は複数のボーカルを1曲中にいかにしてまとめるか、彼らのポテンシャルをリスナーさん達に伝えられるようなフレーズを書けるのか、過去に最高に頑張った自分のゲンソウオー以上を目指せるのか、等です。
最高の答えを出せたでしょうか。
逆境!!
ゲンソウオー史上、2曲目のオリジナル曲です。
歌の難易度が非常に高くなってます。
複数名のシンガーがいて、初見の人でもシンガーが切り替わった事が明確にわかるようにするためにメロディの展開がかなり多い曲にしました。
サビ→イントロ→A→B→C→サビ→Bサビ、と1コーラス1分半の尺の中で極限とも言える展開数で、全体通してもほぼ常に歌っている状態です。
基本的にサビ以外はメロのチェンジに合わせてシンガーが切り替わってます。
そしてキー設定をギリギリまで上げており、これによって必死感と熱さを表現しています。
また、今までは僕の役目は補助でパート割で一番ないがしろにしてたんですが、この曲に関しては僕が得意というか歌いやすいフレーズを担当しました。
1番Aメロとギターソロ明けのハイトーンフレーズです。
編曲についてはオーケストラとデジタルシンセが半々の割合でせめぎ合っており、編成的な問題よりパソコンへの不可的な意味でちょっと大変でした。
例えば1番、Aの僕が歌っている箇所はシンセ、Bのやかんさんの歌ってる箇所はハモンドオルガン、Cのみーやさんが歌っている箇所はオーケストラフルインで、サビはシンセとオーケストラ半々です。
一気に切り替わる箇所としてはギターソロ明けの僕が歌うシンフォ東方的フレーズでは物凄い大げさなオーケストラですが、次のやまだんさんが歌うメロはオーケストラを全部どけてシンセで構成してます。
密度の濃い曲になっていますが要約すると「カモン逆境!」です。
Go Shining Ray!!
やまだんさんのソロ曲です。
メロスピ並に疾走してるんですが非常に明るいポップな曲に仕上がってます。
Bメロは原曲フレーズメロなんですがクセが強いのでバックは跳ねるリフにしようと思い、実はここで某メタル曲のリフをまんま使ってます。
歌メロが全面に出てるので気にならないと思いますが。
実はイントロのバックで鳴ってるシンセとタッピングでギターがユニゾンしてるんですがそんな前に出すパートでも無いので控えめになってます。
でも弾くの苦労しました。タッピング苦手なので。
やまだんさんの熱さは他のメンバーと違うヒーロー的なカッコ良さがある熱さで、サウンドも過激さだけではなくさわやかな物を狙いました。
キーも比較的余裕をもった位置に設定し、歌詞も内容の原曲的に人間的な前向きさ、そして語感の収まりについて意識しています。
例えばサビの
”Go Shining Ray!! Go Ride Your Way!!
そのYourselfで駆け抜けてみりゃいい
所詮人生百年間 七転八倒で行けばいい”
等です。
「しょせーん じーんせい ひゃーくねーんかーん」と伸ばす箇所の直後に「ん」が入る言葉にして字を詰めながらも歌に負担が少ないようなフレーズにしています。
言葉がリズミカルに収まるとシンガーのカッコ良さが引き立つと思うのでこうゆう作りにしました。
瞼に火を灯せ
みーやさんのソロ曲です。
僕が高校生とか専門学校生くらいの時に好きだったフレーズでギターが構成されてます。
この曲はシンセがあんまり使われておらずギターとベースで主に頑張ってます。
ギターは正直こうゆうのは慣れてるのでたいした事なかったんですが、Aメロのベースで苦労しました。
ランニングベース的なアプローチは結構頻繁に使うんですが1区間まるまるランニングで構成したのは初めてで「これでいいのか?大丈夫なんか?」と悩んだりしながらフレーズ作りました。
Aメロ箇所はドラムも苦慮し、この箇所のためだけにドラムセットにはスネアを2種類組み込んでます。
この曲は「かごめかごめ 籠の中の鳥は」というBメロのフレーズから広げて作ったので実は歌詞中心で考えられてます。
シンデレラケージのアレンジでこの「かごめかごめ」を使っている人はきっとたくさんいると思うのですが、僕のは下記のように続けました。
”かごめかごめ 籠の中の鳥は
偽りの日々 蹴っ飛ばして
瞼に火を灯せ”
Aメロで思考、Bメロで行動、サビで自由な未来への躍動を描いています。
あくまで前向きに熱い東方。それがゲンソウオーなのです。
イラスト担当の吉岡さんがこの曲良いですね、とおっしゃってました。メールで。
Burning Gain & ヒソウテンソク
これらは再録なので以下の日記に解説がありますのでどうぞ。
https://ryu-5150.jp/blog/1/post-0-23/
ALIVE
勇舞さんのソロ曲です。
Aメロでは今まで使ったことがなかったリズムパターンを使用してみました。
ヘヴィ系のジャンルでは基本的な技ですがあんまりゆかりがなかったので。
実はBメロのギターが難しく、今回の録音で一番苦労したかもしれない箇所です。
ギターソロも今までやってないパターンなんですが、この形式を採用した理由は尺です。
流れ的に雰囲気の変わる間奏が必要だと思ったのですが尺的に結構ギリギリだったので、短い中で雰囲気が大きく変わるクラシカルフレーズをベタベタなリズムで突っ込むこのパターンは都合が良かったのです。
曲終わりのアウトロでいきなりそれまでに無かったギターメロディで終わるのですが、これは1番終わりのようにメインリフに繋げた場合の綺麗な終わり方が見えなかったので方向転換の意味でこのフレーズにしました。
勇舞さんの歌はやはり最強に過激で、かつ正確です。
パワーとリズムの双方で最も優れているのでほぼ何でも歌いこなしてしまうのですが、IRON ATTACK!やLIGHTNINGでは使われない勇舞さんの魅力を出せる作りにしたつもりです。
フレーズとして最たる例が
”言葉じゃもう足りないくらいに
Burning Heart for ALIVE!!”
ではないでしょうか。
リズムのガガガガッと決まって流れが読めなくなる箇所がこの曲のポイントだと思います。
Battle Field
華狭間のバトルフィールド、全員歌唱です。
歌モノとしては尺が長いですね。5分半。
特に長いイントロ等を使っていないのに1コーラス2分なので必然とも言える尺なんですが、一応これライブを想定した曲のつもりです
歌が激難しいのはともかく、ヲーヲーの箇所がお客さんに歌わせるにしては激高い等ツッコミどころが満載です。
この曲はサビにガッツが欲しかったのでストリングスでもシンセでもなく、リードギターでサビを盛り上げてます。(この手法は福山芳樹さんの曲でよく使われてます)
サビ入りの「Breaking The Law!!!!」という掛け声から一気に加速するのがこの曲のポイントだと思います。
そして「全開本能が鋼も溶かす」とか冷静に考えるとちょっとよくわからない勢い満載フレーズをパワフルな声で歌い上げるところなどがゲンソウオー的で気に入ってます。
編曲として実は一番どうしようか悩んだのは2番サビ終了後に出てくるリフです。
原曲、華狭間のバトルフィールドの印象的なフレーズなので冒頭から使うべきかと思ったのですがメロディを考慮するとリフの勢いを生かせないのでは…どうしよう…と考えました。
最終的にギターソロ前にて満を持して登場させる形を取りましたが雰囲気が変わるし結果的には美しく収まったと思ってます。
勇舞さんが下記のBメロの歌詞と流れを気に入ってましたが原曲サビフレーズなのでそう思ってもらえる展開を作れて嬉しかったです。
”その手で Don’t be Afraid on the way
ここで命まだ蒼く鼓動刻み打つから”
しかし音程の上下が激しくめっちゃ歌いにくいです、ここ。
僕はこの曲では基本的に下ハモリばっかりなんですが代わりにサビの一番美味しい箇所、「嗚呼 叫ぶ声よ高く強く」を担当してます。
おわりに
結構長くなってしまいました。
ここまで読んでくださった方はありがとうございます。
がーっと解説を書いたので文章的にアレかもしれないのですがご容赦ください;
同時発売のJORMUNGAND、Screaming Tranceも後日別の記事で掲載しますのでチェックしてね!