ドラゴン、怒りのCPUクーラー交換
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わりと本格的な激怒を繰り返しながらCPUクーラーを交換した日についてです。
事のはじまり…
依頼されている楽曲制作のミックス中だったんですが、パソコンが突然フリーズしました。
再起動すると「CPUが熱くなってるから無理」みたいな表示が。
蓋を開けて見るとCPUクーラーのピンの一つが外れて位置が不安定になっていたので、それを付け直したところ一応起動できました。
フリーズ自体はまぁこれまでもたまに起こってたんですけどよく考えるとミックス作業中に止まることが多いな…と思いました。
もしかして毎回熱関係が原因……?
そう言えば最近大量のプラグインを同時起動させて曲を再生するとCPUクーラーのファンの回転数が上がってるなー、と。(耳で聞こえるので)
「CPUの温度ってどれくらいなんだろう」と興味を持ち、測定用ソフトをインストール、その後普通にDTM作業を行い一段落ついた際に最高温度と最低温度を見てみる事にしました。
計測
~数時間後~
おおよそ方が付いて「さて、どんなものでしょう、ほんじゃらほい」とソフトをチェックしたところ驚愕の数値が。
最高温度97度
97!? (70度後半を超えるとまずいです。)
お湯が蒸発する一歩手前ですね。蕎麦でも茹でんのかこのCPU。
恐らく97を記録している時間帯はそう長くないはずですが、それが長く続いた時がフリーズやらブルースクリーンなんでしょう。
CPUが死んだところでHDDが無傷ならいくらでも制作環境の復旧は可能ですが、もし忙しい時期にそうなったら予定崩壊。まぁ困る。
なので比較的融通の効く今こそ直すしかないのだ。(締切結構近いです)
現在使っているのがこれ。インテルの純正のやつです。
まぁ普通にCPU買うとついてくるやつです。単体でも1000円とかで買えるらしい。
だそうです。(「PCコマンド ボブ&キース (ブイウォーカー・コミックス)」より)
よって今回はCPUクーラーと、ついでにケース用ファンも強化しようと思いました。
「ネットで買ったほうが安いのでは?」という意見もあると思うのですが、今回のような場合詳しいお店の人に相談しながら購入した方が良いと思うので出向きます。
情報を頂いたらそこでお買い物するのが人の道……というマイルールに従って買う気まんまんです。
出かける前に…
今回はパソコン本体を手で持ち運ぶという愚行はやらないので出発前に使っているパソコンの情報をメモします。
とりあえずパーツの相性がある事は知っているのですが、具体的にどう影響するのかは知りません。
後に回転数とBIOSの設定という接点がある事を知りますがこの段階では考えもしておらず、あくまで一応といった感覚です。
CPUクーラーについては取り付け箇所の形式が最重要だと思いましたが念の為にマザボやCPU等も控えておきます。
こんな感じで。写メって便利。
前回の日記でも書いたように僕のパソコンはタワーケースです。
一般家庭にあるそれと比較してだいぶ大きく、多少の拡張には対応可能です。
スペースの余裕については調べなくても平気だろ…と思いスルーして出発。
後にこれは甘かったと気付きます。
お買い物
まずお店について真っ先に気付いたんですが、ケースの寸法を計測しておくべきだったと思いました。
棚に並んでいるCPUクーラーがどれも巨大なのだ。
いやまじでHDDと同じくらいある物もありましててん!
こうゆうのとか↓
なんだよこれ!ボートのエンジンか!?
並のケースでは搭載不可能そうな物が大量にあり、ここの客は皆クリエイターか何かなのかと戦慄しました。
一気にケース内スペースに関する自信を失うわたくし。
日曜日なのでそこそこお客さんの数がいたのですが運良く店員さんを捕まえることができました。
ケース用ファン
りゅう「静かで冷えるオススメなケース用のファンが欲しいです」
店員さん「サイズはいくつですか?」
りゅう「(さ、さいず…?) えーと、あそこにあるケースくらいのに合うやつです」
店員さん「12センチですね。発光したり等の見た目に関してこだわりなどありますか?」
りゅう「(は、はっこう…?) 見た目は何でも大丈夫です」
店員さん「ではコレかコレですね。それぞれ2種あるんですけどピンの数が3か4かで分かれてるんですよ」
りゅう「(ぴ、ぴん…?) マザボはコレす(上のスペック画像を見せる)」
店員さん「これですと3ですね。私はこの2種がおすすめです。理由としてはあれこれ…」
りゅう「ほうほう…(よくわかってない)」
マザボの名称見ただけでわかる時点で凄いなぁ、とか小学生並みの感想を抱いたわけですが非常に助かりました。
ケース用ファンはこれを購入。
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ケース用ファンは案外どれも安かったです。
正直どれも同じように見えてどういった違いがあるのかわからないのですが新商品が出続けているんだから多分なんか違うんだろう。
これはなんか羽の形がうねってて強そうだったから選びました。
CPUクーラー
今回のメイン買い物ですがケースのスペース的に不安いっぱいです。
しかしここでわたくし、ブログ用に電源交換の際に撮った写真を思い出しました。
りゅう「CPUクーラー欲しいです。ケースファン同様に静かでよく冷えるやつがいいんですが、ケース内のスペースに不安がありまして。今こんな感じです↓」
店員さん「なるほど。となりますとこのへんの大きいものは無理かもしれないのでコレかコレが良いと思います。」
りゅう「ほうほう…。この薄くて小さめなのに価格帯が比較的上なやつはどうして高めなんですか?やはり小型化してるからでしょうか?」
店員さん「あ、いえ、メーカーが異なったり、あとはCPUと接着する箇所の製造のための技術的な工程の問題などの影響で大きさはそんなに関係ないです。」
りゅう「ほうほう…」
など話をちょこちょこ聞いた結果、こちらを選択しました。
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サイズ的にもこれなら大丈夫、との事で。
あとついでにUSB端子の増設ユニットを購入。
店員さんにお礼を行ってお店を後にしました。
パーツ交換
帰宅。
秋葉原でラーメン食べて満腹だったので非常にご機嫌です。ここで人生が終わっていればよかったと思う程に。
こんな感じのものを買ってきました。
そしてここからが本番よ!ウェルカムトゥヘル!!!
ケース用ファンは取り付けも単純なので5分程度で終わったのですがCPUクーラー、こいつは容赦なかったです。
まさかこんな扇風機ごときに手こずるとはこの日、思いもしませんでした。
vs CPUファン
こちらをご覧下さい。
左が元々付いていたクーラー。右が買ってきた物です。
でかい。電源交換の際も新パーツはでかなぁ、と思いましたがそんな比ではないです。
親子かこりゃ?
ゴジラとキングコングくらい差がある。
「うぉー、こんなでかいユニット装備したらきっと効果抜群だろうな!」とワクワクしておりました。
疑問発生
まず取り付けのためにはピンが必要なんですが、AMD形式でもインテル形式でもいけるように金具を後付する仕様でした。
それはまぁいいんですが…金具と本体を固定するネジやらピンが存在しないのはどうなんだ?
金具をクーラー中央に挟んで、乗っけているだけなのである。
不思議だ…これではCPUに乗っけた際に少しグラついたら金具がズレてまた最初からやり直しになるのでは…?といった疑問が。
まぁ、予想は的中でしたけどね。
地獄からの尖兵、グラグラ金具である。
問題発生、そして怒り爆発
とりあえずケース内に配置してみる。
ふむ…まぁでかいけどケース内には収まってるから大丈夫ですね。
しかしここである事に気付きました。
マザボとクーラーを固定するピンを…どうやって押し込んで回すんだこれ!?
↑この○で囲った箇所にあるものとまったく同じものが新しいCPUクーラーにも付いているんですが
なんとフィンがでかすぎて視認できない。どこだよ!!
説明書には下記のように記載されています。
理想 (悠々自適なフェードイン)
現実 (すきまに指すらまともに入らない)
この画像で伝わりきらないと思いますが、こうゆうのをファ○クネスって言うんだと思いました。
これはマザボの仕様もあると思いますが主な要因はこのピンを押し込んで固定する仕様と、あとフィンとピンの間の空間が全然無い事にあります。
どれだけひどいかわからんでしょうが、カメラで撮影できないくらい空間が無いのです。
離れて撮ると何も見えないし近寄って撮ってもわけがわからん過密空間で、マザボとクーラーの距離がなさ過ぎて指すらまともに入らないのである!!
ピンに触れるのが精一杯でそれを視認できない穴に押し込めというのだ。
蟻の巣に入れた知恵の輪を目隠ししてピンセットで解くみたいなものだと思う。
比較的余裕のある方向がこちら。
これでも充分とは言えないですが他の角度に比べて格段に楽なのでここの2箇所を固定してある程度安定させたのちに無理めな2箇所を止める事に。
が、しかしこれも問題があります。
2箇所止めた程度ではピンを搭載するための金具自体が本体に固定されていないため、指を無理やり入れようとした際にグラついて崩壊するのである。
よってマザボをケースから外すにしてもこの平面に置いた状態でやらなければならないのはコイツが定めた法律であり、唯一の抗える脱法的な術は周囲のパーツを撤去する事だけなのだ。
あくまで平面でそっとやれ!Do it! と言う事です。
他パーツを撤去しない場合、メモリやらケースファンやら他の全てが邪魔しており、メモリの側部になると1センチも隙間が無い始末。電源側面はどう頑張っても触れることすら不可能。
しかもピンを押し込んで回転させるには相応の握力が必要なんですがこの状況じゃ握力20も出せず、反則的に相手に有利なステージで戦っている気分である。
こんな体勢でどう力を出せと言うのか。
つまり、完璧な状態で真上からそっと乗せた後にETのように指が細く指先だけで何でもできるくらいの力を持つ生命体を基本と考えているという事か?
本当にこんな仕様がベストなアイディアだったのか!?
「ピンの上に回す方向が書いてあるよ♪押し込んだら回してね!」みたいな記載があるんですが上にフィンが乗っかってて懐中電灯無しじゃ何にも見えねんだよ!
せめて色付き or 蛍光塗料で回す方向を書けばいいのに黒い素材の上に突起があるだけ。黒の上に黒!盲牌しろってか!?影が落ちた瞬間見えなくなるのが必然じゃねーか!
本当に人類が考えたのかアァン!?
解決策
ここまでの試行錯誤で既に100回はキレましたが1時間ほど経過して多少冷静になりました。
とりあえず自分の考えられる範囲で解決策を探しましたが、出来る限り周辺パーツを外して根性で頑張る以外に何もないと判断しました。
ペンチを突っ込んでピンを回すという事も考えましたが、空間がなさ過ぎてペンチを入れることはできても先端を開く事が出来ず断念。
とりあえず電源、ケースファン、メモリを撤去して頑張りました。
ところで素人考えですが最大の問題点が力で押し込むしかない上に開閉が不明瞭なピンだからこれをやめてネジ止めにするのが私的には良いのではないかと思う。
他にもこのファンやフィンの箇所を後付けする形にすれば少なくとも設置するピンが見えないという愚か極まりない状況は回避できたように思える。
いや他にもたくさん思いつくんですけど放熱性との関係が有るにせよ恐らく現状以下の方法はガムテープで固定するくらいしか思いつかないです。
一難去ってまた…
とりあえず何とか取り付けられました。
余りにも上手くいかず悔しさで頭どうにかなりそうになりましたし指先すげー痛いけど。
私は勝ったのだ。この嫌がらせのような仕様に打ち勝ったのだ!!!
あとは外したパーツを戻すだけだ!
が…
どうなっているかおわかりになりますでしょうか?
ケース用ファンを外した状態で取り付けた結果、CPUクーラーの突起がある面をケース用ファンに向けた形で設置してしまったのです。
その結果ケース用ファンが取り付けられなくなっているのでした。
今まで使っていたケース用ファンとこの新しいケース用ファンは特にサイズは変わらないので古いのに戻したところで無駄です。
すっごい考えたんですが選択肢は3つです。
- ケース用ファンの設置を諦める(熱とか不安)
- ケース用ファンの取り付け具を外して本体にネジ穴を新たに開けて無理やり止める(強度とか不安)
- CPUクーラーを外して付け直し
はー……
選択、3番:CPUクーラーを外して付け直し
魔界村かよ…
魔界村:ファミコンの超高難易度の横スクロールゲー。 1度クリアするとそれは幻覚だったのだ、と出て2周目をまた最初からやらされる。 2周目をクリアしないとエンディングにたどり着けない。 フツー心折れるし1周目の時点でムズすぎて投げる。 唯一、良心的な点はコンティニューが無限に可能な事。 |
設置完了
地獄との戦いが終わりました。
途中真剣にこのクーラーを破壊するか悩んだ程ですがとにかく設置できました。
死ぬ程疲れた。
その後下記のようなトラブルがありましたが結果的には解決しました。
- クーラー設置のために悪戦苦闘した結果、マザボと本体の接続ネジが緩んで起動しなかった
- クーラー設置のために悪戦苦闘した結果、様々な接続端子がズレてて起動しなかった
- 起動したけどクーラーのファン回転数がおかしい!、とBIOSに強制連行されたが別のパソコンでググって解決
- クーラー設置のために悪戦苦闘した結果、HDDと電源を繋ぐケーブルが外れててブートが発見できずOSが起動しなかった
CPUに乗っかってるだけでいい装置を設置するだけでなんで周囲のパーツ全てを巻き込んで影響出すんだよ…。
最後のHDDの件は結構手こずったんですが疲れすぎててHDDが起動する音がしてない事に気付かなかったのが最大の敗因です。
結果
CPUの温度ですが現時点ではかなり低めで安定しており良い感じです。
これで熱暴走的なトラブルはしばらく大丈夫でしょう。
感想としてはこのパーツ二度と交換したくない。
マザボの仕様が古いのも手間取った要因なんじゃないかと思いました。
今のところ使ってて不具合は無いんですが、次はマザボかCPUかケースが交換対象になりそう。
HDD交換はプラグイン関係の再インストールで物凄く手間(数日ががり)なのでできれば勘弁願いたいですが、その前にSSDを導入してプラグインシンセのライブラリの移動などしておきたいと思います。