API Collectionのレビュー[音源有り]
目次 -Contents-
以前wavesでAPI Collectionの7割引きセールをやってたので購入しました。
個々についてとあと主力として使っている550Bは音源を交えて書きます。
曲目は「NO WAY OUT」になります。
*わりとざっくりな感じですがご容赦を…
API Collectionの概要
世界中のエンジニアが愛したAPIのサウンドがメーカー共同開発によりプラグインに再現
API(Automated Processes Incorporated)と共同開発したAPI Collectionは、有名なAPIモジュール:550A 3-Band Equalizer、550B 4-Band Equalizer、560 Graphic Equalizer、2500 Stereo Compressorを基にした4つの精密なプロセッサーです。
数え切れないヒットレコードで世界中のエンジニアが使用したこれらのモジュールは、他にないサウンドをもたらしてくれます。API Collectionでは更に、Wavesがそのユニークな音響特性のニュアンスを余すところなくキャプチャーしています。
だそうです。
Neve、API、
ちなみに僕は実機を使ったことないので実機に比べてどうかとかわからないです。
それにしてもシミュレートと言え実機だとかなり高価なものが手の届く範囲の値段で使用できるとは良い時代になったものです。
API 2500
コンプレッサーです。
パンチ感とAPI独自のトーンを得られるダイナミクス・プロセスツールとの事ですがおおよそそんな感じです。
何にでも使えるぜ!という触れ込みなんですが、パンチ感がかなり出やすく活発な音になりがちなので個人的にはリズム帯向きなのではなかろうかと思いました。
やたらタイトです。
あとこの2500だけでなくこのバンドルに含まれるエフェクト全部に言えるのですが、インサートするだけで倍音が乗って音がちょっと変わり輪郭が出ます。
微量とは言え特徴的な変化なので多分これがAPIらしさなのかな、と思います。
操作については上段がVUメーター、中段が基本的なコンプ設定、下段のTONEで音色を作る感じです。
TONEの中にあるKNEEでコンプレッションの激しさ、THRUSTで帯域、TYPEでコンプレッションタイプを選択可能です。
デジタルモノだったら大変な自由度になるのですがアナログモノなので固定設定の2~3種から選ぶ形なので簡単に操作できます。
しかし切り替えるだけで物凄い音が変わって起伏がコントロールしにくくて最初困惑しました。
API 560
アナロググラフィックイコライザー。
DAW上でグラフィックイコライザーを使う事はまずないのでピンと来ないのですが、これは見た目がグラフィックだけど後述する550の操作できるノブがたくさんあるようなもの…と捉えればいいのかな?…と思ってます。
利点は細かく帯域ごとの上げ下げが可能な事でツマミのレベルとQカーブが連動してツマミを上げるほどに自動的にQカーブがきつくなっていく仕様だそうです。
悪くはないのですが正直これが必要な場面だとH-EQ等のハイエンドなデジタルEQの方が使いやすいのであんまり出番がありません; あっちアナライザも付いてるし…。
APIサウンドで思いっきり音作りしたいぜー!という際にはこれが最もベストだと思います。
API 550B
今回のメイン、アナログタイプのEQです。
帯域固定でゲイン上げ下げはそれぞれ2の倍数固定です。
560と同様にゲイン値によってQカーブが自動で変動する仕様です。
細かい音作りは厳しい構造ですがバンドルの中でこれが最も良いと思いました。
ブースとした時のギラギラ感が独特でお気に入りで主にそのために使います。
逆にカットについては思いっきり下がってしまうのでそういった用途については別のEQを使用してます。
個人的にはギターとの相性が好みでバッキングギターにインサートする形で活躍してもらってます。
音源を用いて…
曲は「NO WAY OUT」ですが下記の条件にしてあります。
・パートを大幅に抜いてギター、ドラム、ベースだけの状態
・550Bをかけているのはギターのみ
・ギターはジャクソンのケリー(EMG)、アンプはORANGEを使用
・ギターには揃えるためにコンプレッサー(VSC-2)と不要帯域にハイカットローカットを入れてあります
それではいってみましょうー。
550Bを通してない状態の音
プレーンの状態です。
基本的に刻みですがところどころ和音感をいっぱい出すような弾き方ですね。
これを元にやっていきます。
550Bで5Kを+2した状態の音
↓こんな設定。
ツマミを1上げただけなんですけど明らかに刻みのザクザク感とコード感が増しました。
この設定はとりあえずギターにインサート、という際にまず試します。
アナログなブースト感がAPIっぽい…気がする。
550Bで5Kと12.5Kを+2した状態の音
↓こんな設定。
H-EQで8K以上にカットを入れてるのですが12.5Kを上げた影響はかなり出てます。
さらにザクザク感が増して抜けてまいりました。うるさい程に。
他のエフェクトに比べても少しの操作ですぐ変化があるのでちょい足し(設定上は)くらいの使い方が良いのではないかと思います。
550Bのプリセット、[Rhythm guitar]を通した音
↓こんな設定。
複数の帯域を上げた結果音がかなりでかくなってしまったのでギターのボリュームを-3dbと落としてます。それでもでかいですが。
とにかく雰囲気変わりまくりです。
うーむ、凄いかかり方。
おまけ 全パート入り
設定は5Kと12.5Kを+2したものにしてます。
オーケストラが主なパートなのでギターは引っ込み気味にしてますがAPIのおかげでフレーズ自体は結構ちゃんと抜けてきてます。
API 550A
550Bのツマミが1個減った版。
正直使いどころが一番少ない気がしますが何かしらの優位点があるの…かな…?
思いつくのはBよりQカーブが広く設定されていて浅く設定する際にBとは違う音作りができるとかくらいです。
深く設定するとQカーブが狭まってBと変わらない事になりそう。
ちなみに550を個別で買うとBとセットで売られてます。
まとめ
総じて非常にクオリティの高いプラグインで動作も軽いです。
一応何にでも使える!という話で、間違ってはいないのですが調整する系というよりガッツリと音作りをするエフェクト類でクセが強いです。
通すと容赦なくAPI、というかAPI Collectionの音になるのが長所であり短所である、と思いました。
そんなわけでファーストチョイスとしては推奨はしませんが素晴らしいソフトなのでおすすめです。
wavesのサイトで試用版を落とせるので気になった方はお試しをしてみてはいかがでしょうか。