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JORMUNGAND ラストアルバム「Vivid Chaos」解説

目次 -Contents-

 

自分にとって久しぶりの新作アルバム、しかもフルアルバム、そしてJORMUNGANDのラストアルバムです。

聴いて!!!

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楽曲解説

冒頭でも触れましたが、バンドとしては初のフルアルバムです。11曲入り。

今作は作曲において音楽理論を意識せず、直感を重視し、そして過去最高にリズムを意識して編曲しました。

このアルバムに限った話ではないのですが、基本的に歌が入ってる曲は歌パートを最重要視し、そしてボーカルの技術がかなりある事を前提にカッコイイ曲を作るようにしてるので、今作も歌が突き抜けるような仕上がりにしたつもりです。

デモ段階で全曲仮歌を自分で歌って録ってるんですけど、どの曲も歌ってみて楽しかったので、少なくとも自分にとっては理想的な曲ばかりを作れたな!と思ってます。

ブルーナイト

1曲目ですが、実は一番最後に急遽作った曲です。

ピアノのバッキングから作って、その上に鼻歌でメロディを付けた感じです。

シンプルな曲ですけど結構気に入ってる。

ギターの役割は地味めなんですが、イントロとAメロの「ドゥッ、ドゥッ、ドゥッ、……ドゥドゥッ…」というミュートしたブラッシングの音が良い感じに出せなくて大変でした。

この時にメイプル指板のギターの必要性を感じたので、今作の製作後にギターを買いました。(今作では使ってない)

ウォーウォーウォー♪というシンガロングは大好きなんですけど自分1人で良い感じのものを録るのが無理で、今までやや控えめだったんですけど、今回からシンガロング音源ソフトを導入しました。

非常に簡単かつカッコイイシンガロングトラックを用意出来たので今後の作品でもばんばん使っていきたい。

Arise

2021年冬コミで出した先行シングル収録曲です。

こうゆう曲調は個人的にはかなり好きなんですけど、バンドに合わないと思っててずっと控えてました。なのである意味で冒険した曲。

キック4つ打ちのメジャー進行曲で、歌よりもメロディラインを優先してて、歌をやらない人が作ったようなタイプの曲調になってるかもしれません。

アルバム全体を通して言えるのですが、和音についてももっと自由にいこう!という意識の元で主にピアノのアレンジをこれまでと比べて大胆にしてて、テンションノートが増し増しなんですが、この曲はその傾向がよく出てると思います。

ピアノをガンガン弾いてるのでギターがやる事があんまり無く、この曲がギター1番簡単かも。

各パートが変な動きをするのを良しとしない、キメキメな曲なのでメンバー的にどうなのかはアレなんですが、作ってて楽しかったので今後こうゆうのは積極的に作っていきたいです。

Stigma

初のリリックビデオにした曲。

とにかくキメキメでカッコつけた曲にしよう、と思って作りました。

パワーメタルのように疾走してる曲ですが、メタルっぽく無いモダンな雰囲気にした…つもりです。

シンセサイザーをたくさん使ってるのと、ユニゾンのキメが多い効果でもありますが、ギターの動きもパワーメタルではまずあり得ないパターンだらけなので、雰囲気の変質にかなり寄与してると思います。

あ、でも「信じた火に燃え燃やされ 離さない呪い♪」の後に入ってるツインのギターフレーズはRiotのworriorのパターンなので、そこは完全にHR/HMしてます。

Hazy Hazy

なんとこれ、今作で1番最初に書いた曲です。

初のシャッフル曲で、7弦ギターを初めて使ってる曲でもあります。

ポップでホラーでヘヴィな楽しい曲を目指してます。

「welcome moonlight」の所とAメロで入る「ニャンニャンニャン」は私が3度下で歌ってピッチシフターで上げたトラックをメインで使ってます。(キー下げなくても余裕で歌える高さだけど声変質をさせたかった)

カッコいい休符のリフが作りたい、と思って製作開始したんですけど、その結果、イントロのリフが非常に難しく、全ての音をタイトに切ってミュートを連発しないとカッコよくならないので苦労しました。

リフと全体の雰囲気さえ決まればあとはそれに乗っかる楽しい歌メロを考えよう、という事でこの曲のメロディは完全に直感重視で作っており、楽器を使わず歌だけで作曲してコード等は全部後付けしました。

ブルーノートを使う等で音を外すフレーズがあると歌ってて楽しいな、と思うので、例えばサビの「Stay away guns and flame♪ 愛情kill it kill it kill it軋むライン♪」などの箇所で踏み外しを連発し無法な雰囲気を演出しました。

Dメロなんかは特に動きがかなりフリーダムで音階がめちゃめちゃになってます。

とは言え、制作において最後までフリーダムだとまずいので編曲段階で帳尻を合わせて破綻しないように仕上げてます。

閃光ライトニング

第2弾のリリックビデオにした曲。

この手の曲はリフがいくらでも思い付くので非常に作りやすいです。

手癖で書いてるので解説する所があんまり無く、得意技の連発です。

これまでこうゆう曲はアニソンのようにシンセパートでキラキラさせる手法を主に採用してきたのですが、今回はシンセをほとんど使わず上物の多くをギターだけで飾ってて、地味に細かい技がたくさん使われてます。

今までやってなかったパターンとしては、ギターソロ前でギターリフだけになる箇所をアコギに担当させてみました。

天上天下

これまでも何度か作ってるタイプの曲なんですが、「これ系の曲って大抵カッティングギターが頑張ってるけど、リズムからすると実はヘヴィなリフと合うのでは…?」と思って試してみました。

結果的にうまい具合に合ったかな?と思います。

7弦ギター大活躍。

イントロがメタメタな感じなのに対してサビではピアノが上物の主役です。

そんなわけでサビではギターが邪魔になるので本体のボリュームを少し下げてパワーを落として弾きました。

ピアノパートはなるべく激しく!ということを意識し、結果的にそこそこテクニカルな事になってますが、理論的な事は全然考えず「なんかこのへん和音が複雑な方が面白いな」くらいの感覚で作ったのでテンションノートがマシマシです。

聴いてみて問題無かったのでそのままGO。天上天下。

メロディは「お茶碗かいたの私です」のキメフレーズをまず思いついて、そこから広げていって作りました。

cold faith

暗く激しく、テクいサビメロの曲を作ってみたいな…何にも似てないサビメロを…!という事で作りました。(自分が知らないだけで似てるメロの曲はあるのかもしれないけど…)

本来だとリズム楽器がデジタルバリバリの打ち込みの方が合いそうな曲調ですね。

手順的にはサビメロから作ってますが、スケールを意識しない形で思い浮かんだまま書いたため、コード進行がヘンテコでストリングスアレンジに悩みました。

と言うかこの曲が全体通して最も悩んだ箇所が多かったかもしれないです。

初めてやった事が多かったので大変だった…。

最もヘンな動きをしている箇所はDメロ「皮蠢く獣達の声に添えて 剥がす緋色歌 血も匂わない体に」の箇所で、どうゆう音階になってるのか自分でもよくわからなかった。何やってるのこれ…?

幾日

4ピースバンドらしいバラード曲を作りたい、と思って作りました。

歌メロとアレンジをほぼ同時に思い付いたので一気に完成させられました。

Aメロの途中でいきなり転調してて、こういったストレートな曲調にしてはちょっと変わった事やってます。

あと前作のRememberもですが、歌メロにブルーノートを意識して入れまくってます。

今までピアノメインのバラードばかりでしたが今回はギターメインで、編成的にも凝った事は出来ないので正直編曲はかなり楽してます。

ただ作詞はテーマが普段あんまり書かないタイプだからかなり難航しました…。

「騒ぐ嫌いな街なのに 何故かな不思議と悪くないのは 懐かしさのせいね」の箇所は気に入ってます。

イマジナリー

4つ打ちの歌が楽しい曲。

あからさまにテクニカルな事は全然やってないのですが、Hazy Hazyに続いて休符の使い方を意識した曲で、タイトに弾かないと台無しになるので難しかったです。

音を出す事と同じくらい、音を出さない事、止める事は大切なのだ。

この曲においてギターはリズムを演出する役で、上物は鍵盤に多くを任せてます。

サビのシンセは最もシンプルな刻みだけに終始してますが、後ろでヘンな動きがあると「トばす足音Wow Wow Wo」の箇所のような楽しいシーンが阻害されてよくないな、と思ったのでそうしました。

お気に入りの箇所は「嗚呼 本能にドーピングをちょうだい」や「helion 夜に朽ちてゆく」の箇所にある、メロディと分離したバッキングパターン。

メロはそれまで通り普通に展開するのに、リズムは崩したキメキメパターン!っていうのが楽しい。

Fire Deeper

勢いがある歌モノ、ということで閃光ライトニングと同様に手癖で書きました。

基本的に同じような技、A-Bメロをコード進行を簡素にして主に1コードの刻みで成立させて、相対的にサビでの動きを強調させる手法で作られているのですが、こちらの方は7弦ギターを使っててよりヘヴィかつキメを多めにしてます。

サビの真ん中、「それでも病めない感性 can’t stop into alive」の箇所で突っ走らない所などが拘りポイントです。

Till the End

今作で一番お気に入りの曲で、恐らく今作で一番歌が簡単。

自分にしては珍しく「誰でも歌えるようなアップテンポの曲!」を目指しました。

曲調のおかげか、歌詞がとても乗せやすくてスムーズに書けたのも良かったです。

ギターはフレーズとしては簡単なのに、完全な歌モノなので演奏のニュアンスがめちゃくちゃ反映されるところが弾いてて楽しい。

JORMUNGANDの曲はアップテンポになると各パートに音数がかなり多くなる傾向にあるんですが、この曲は程よい音数で、そうゆう意味でも今までになかったタイプの曲になったと思います。

機材等について

ギターはいつものJames Tyler / Studio standard HDをメインで、7弦ギター(Solar guitars / A1.7AC)を併用しました。初の7弦デビューです。

アンプは全曲共通でケンパーのORANGE Rockerverb 100のリグを使用し、エフェクターは歪み系の実機ペダルを3種使っていて、MAXSON OD808、Fortin GRIND、BONDI EFFECTS Sick As Overdriveを場面に応じて使い分けてます。

Rockerverb 100は適度に荒々しく、かつ生っぽいニュアンスが出るので最近のお気に入りです。あと何かよくわからないけどやたら音がでかく、前に出てくるようになる。

全体を通してアンプ直での場面は無く、常にエフェクターを通してます。

音がパキパキになるGRINDをメインで使用し、ソロでは低域を抑制しつつ中域を推してくるOD808を、歪みを抑えた場面では繊細な歪みを作れるSick Asを…、という使い分けをしてます。

空間系、モジュレーション系はそんなに拘りが無いのでプラグインです。

ミックスマスタリングについては毎回かなり苦しんでて今作も例外ではないんですけど、主にボーカルをどこまでバキバキに出すか、とローミッドと全体の迫力のバランスをどうするか、ベースとキックの扱い、で苦心しました。

おわりに

前作のBeautiful Riotもですが、今作は製作にかなり時間かかっちゃいました。

その分クオリティ面は充実した内容に出来たと思うんですけど、どうゆう形で出そうかー、等を話し合ったり宣伝材料を用意などを行っている間に半年経過し、過去に経験が無いくらい発表に時間がかかった作品です。

今現在の感覚では「ここはこうできたのでは…」とか「こうゆうのを作るべきだったか?」等は当然たくさんあるんですけど、少なくとも製作当時の自分が出来る限りの音楽を作ったつもりです。頑張ったぞ。うん。

あとは聴いてくれた人たちが気に入ってくれたら嬉しいな、と思うだけよ。

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