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ギターはどれだけあっても良い。龍5150です。
さっそくですがギターを買いました。
以前ここでも書いたのですが、今年の春に買ったPhantom Guitar WorksのPhantom6と同じ形状、ファントムギターです。
ボディとヘッドの形状は同じですが今回のはただのファントムではない!
テレキャスターとファントムを合体させたギター、テレファントムだ!!!
開封の儀
購入手続きから3日後、我が家に段ボールが届きました。
何か届いた。 pic.twitter.com/SgU3jndTh4
— 龍5150 (@ryu5150) November 17, 2020
ネット注文でギターを買う時はいつもこの瞬間ドキドキします。
ちゃんと梱包してて欲しい気持ちと、早く開けたいから梱包材が邪魔という矛盾が自分の中であれこれしますわ。
おぉー。 pic.twitter.com/4bqptrncLd
— 龍5150 (@ryu5150) November 17, 2020
テレファントムだー!!
見た感じ仕上げも良く、丁寧な作りを感じます。
とりあえず2本のファントムを並べてみた
良い。 pic.twitter.com/S6Cqz8XmBi
— 龍5150 (@ryu5150) November 17, 2020
壮観ッッッ!!!!
これは良い!!!
ちなみに白い方はファントムギターワークスのphantom6です。
わかってもらえないギター、ファントム
ファントムは見た目カッコいいのですがサウンドについてあんまり情報が無く、「音悪そう」とか言われる事もある。
悪くないよ~、物によるけど良いよ~。
前回のphantom6や今回のテレファントム購入にあたって仕様情報をまとめて掲載されている所が無く、ちょっと苦労しました。
どこにも書かれてないなら僕が書いても良いのでは…?「なっちゃえばいいじゃん羆に」…。
というわけで今回、テレファントムについてまとめていきます。
まぁ…まとめると言ってもテレファントムの入手方法は非常に少ないのですが。
そもそもテレファントムとは?
あまり一般的じゃないギターなのですが、VOXのギターphantom(ファントム)のボディシェイプにテレキャスターを合体させたギターで東京事変の浮雲(本名の長岡亮介ではペトロールズで活動)さんが使用してる事で有名なギターです。
制作は千葉にあるギター工房、Songbird(ソングバード)で同モデルは一般には流通しておらずオーダーメイドで制作を請け負ってもらえるようです。
この人が持ってるテレファントムには色んな仕様のバージョンがあるみたいですね。
(ちなみに今回僕が買ったテレファントムはソングバード製では無いです。)
テレファントムを手に入れる方法
1 Songbirdに制作オーダーする
2 コピーモデルを新品か中古で買う
3 自分で作る、もしくは工房等にフルオーダー
1については情報が少なくて何とも言えないんですけど、実際にオーダーして作ってもらった実例があるようです。
2は後述するファントムギターワークスのモデルを購入する方法でこの中だと一番ハードルが低い方法ですが、仕様がSongbirdと全然違う。
3はたまにSNSで自作した人など見かけるのですが、設計テンプレートが出回ってないなど通常の自作ギターに比べて難易度が高いそうです。
とりあえず一番ハードルの低いコピーモデルについて紹介します。
テレファントムを販売しているメーカー、ファントムギターワークス
ソングバード製はオーダーメイドのみでしか手に入らないのですが、一応他のメーカーから似たモデルが一般流通してます。
Phantom Guitar WorksにあるPhanTeleというモデルです。
値段は新品で17万円くらい。代理店を挟まず直取引だと1000ドル(約10万円)くらいで買えるっぽいです。
PhantomモデルにTLスタイルのPUレイアウトとコントロール、ブリッジを採用した”Phantele(ファンテレ/テレファントム)”モデル。2ピックアップ仕様によるシンプルな操作性と、マホガニーボディ&メイプルネック/ローズ指板という組み合わせから来る、明るい中音域に加え、テレキャスター的なソリッドできらびやかなトーン、TLブリッジによる立ち上がり、切れの良いサウンドが魅力です。もちろんこのスタイルならではの演奏性、取り回しの良さもポイントです。
外見はそっくりでデジマート等でもたまに見かけるので買いやすくて良いのですが、実は仕様がソングバード製とだいぶ違います。
テレファントムを主立って使用しているのは浮雲さんだけなので、つまりテレファントムに興味がある人は「ああゆう音が欲しい!」と思われているのだと仮定しますが、ファントムギターワークスのファンテレで近い音を出すのは無理だと思う。
下記に違いをまとめましたのでファントムギターワークスのファンテレを購入しようかと思ってる人は是非チェックしてほしい。
ソングバード製とファントムギターワークス製の違い
ぱっと見た感じは同じように見えるんですけど仕様は別物です。
簡単に違うところだけをまとめると下記のような感じ。
Songbird(ソングバード) | Phantom Guitar Works(ファントムギターワークス) | |
---|---|---|
ボディ材 | アルダー (フェンダーがよく使う材) | アメリカンマホガニー (ギブソンがよく使う材) |
ピックアップセレクター | 3WAYロータリースイッチ | 3WAYレバースイッチ |
ナット幅 | 42mm(普通) | 43mm(独自規格?) |
フレット数 | 21フレット | 22フレット |
ピックアップ | フロント Voodoo リア ダンカン | オリジナル |
ボディ材の違いによる影響
まず音に大きく影響しそうな違いとしてはボディ材で、ソングバードが採用しているアルダー材は一般的なテレキャスターやストラト、ジャズマスター等に採用されている材で、例外はありますけど基本的に高域ジャキジャキ寄りの音になります。
これに対してファントムギターワークスが採用しているマホガニー材はレスポールやSG等に採用されている材で、太くて丸く音になる傾向があります。
マホガニーも種類や個体差はありますが僕が持ってるファントムギターワークスのphantom6の鳴り方はだいぶマイルドなのでファンテレの方も多分同じだと思います。
この時点でも相当な差があるんですけど、個人的に最も気になったのはブリッジです。
ブリッジの仕様による影響
2本ともブリッジに関してはテレキャスターの仕様を基準にしてるかと思いきや実はここも違います。
具体的に違う所に印を付けました。
ソングバードのテレファントム
ソングバード製のテレファントムは一般的なテレキャスターのそれと同じです。
ファントムギターワークスのPhanTele
続いてファントムギターワークスのファンテレですが、こちらはサドルとピックアップの位置が非常に近い。
何を参考に作られたのかわかりませんが他のギターで見た事無いような規格になってます。
こうして比較すると一目瞭然ですが、Phantom Guitar Worksは1弦側のリアピックアップとサドルが物凄い近い。
これは設計時のオクターブピッチに関する仕様の影響なので、少しくらいならともかくここまでの距離になるとセッティングの問題とかで変えられるものでは無いです。
生の鳴り方に大きな影響は無いですがピックアップが拾う音への影響はかなりあるはずです。
正確な意図は不明ですが、マホガニーボディのマイルドな音をシャキッとさせるためにピックアップとサドルを近い位置になるように設計したのかな?と思ってます。
元ネタ、VOXのphantomⅥの仕様
VOXのファントムは63年頃より生産開始されたビザールギターと呼ばれるジャンルのエレキギターです。
ビザールギターはフェンダーやギブソン、リッケンバッカー等のギターのデザインと被らない様な形状で作られており、基本的に安価なモデルが多いです。
型番:Phantom VI
生産国:イギリス or イタリア
重量:3~3.5Kg
ボディ材:ラワン of アグバ
ネック材:シカモア(ヨーロピアンメイプル)
指板材:ローズウッド or エボニー
ナット幅:41~42mm
弦長:634mm
ちなみにVOXにテレファントムは存在しません。
生産国が変わったりで仕様も色々あるみたいですが、このphantomⅥの仕様は現代基準で見ると異質で、ボディ材にはアグバとかラワンと言った今のギターでは使用されてない材を採用してたみたいです。
アグバはよくわからないですけど、ラワンは建築材やベニヤの合板素材に使われてるので結構一般的な木材で60年代や70年代のビザールギターではよく使用されていたようです。
特に希少性がある木材というわけでもないのですが、現代のギターではどちらの材も使われてるの見た事無い。
当時のファントムは安いギターだったようなので恐らくコストの問題でアグバやラワンになったんだと思います。(そんな安ギターも今はビンテージなので20万円以上します。)
アグバは比較的マホガニーに近い性質らしいのでファントムギターワークスの方が元ネタのVOXに近い仕様になってます。
ソングバードもファントムギターワークスは目指す方向性が違う
ファントムギターワークスはVOXのphantomⅥの再現を意識して作成されており、PhanTeleはその延長線上で作成されたオリジナルモデルという位置付けです。
phantomⅥっぽい音だけどテレキャスター要素が外見に出ているギターがファントムギターワークスのPhanTeleでしょう。
これに対してソングバードはボディやヘッドの形状こそファントムですが、目指す方向としてはフェンダーのテレキャスターにかなり寄った作りになってます。
テレキャスターに近い音だけど外見にファントム要素が強い、というのがソングバードのテレファントムと言えます。
この差はかなり大きく似て非なるものなので「テレファントム欲しい~」と言う人は良く考えた方がよいですぞ。
今回買ったテレファントムはどちらでも無いです
以上がテレファントムに関するまとめ情報でした。
…で、ここまで書いてきてアレなんですけど今回僕が入手しましたテレファントムですがソングバードとファントムギターワークスのどちらでもありません。
自作が一番近いんですけど、僕にギターを自作できる技術は無い。自作はハードルが高すぎる。
仕様的にはソングバードのテレファントムが欲しかったのですがどこにも売ってなくて、ネットを放浪してたのですがある日たまたまヤフオクに個人製作のクラフトマンが作成したテレファントムが出品されているのを発見しましてね。
そう!!これが第4の選択肢、「人が作ったやつを買う」じゃーい!!!
ちなみに制作過程がこちらの動画で見れます↓
自分の手元にあるギターの制作工程がこうして見れるのは良いですねぇ。
動画の最後に完成品の試奏が収録されており、そこで音質などの傾向もおおむね把握できてたので躊躇うことなく購入することが出来ました。
実物についてですが音が暴れたり詰まったりする事もなく、良い意味で国産!!という感じに仕上がっており音もジャキジャキでかなり自分好み。
最近ジャズマスター欲しいな~?とか思ってたのですがこのテレファントムが想像以上に良かったのでジャズマスターへの欲がすっかり冷めてしまったほどです。
ジャズマスター欲しかったけどテレファントムが想像以上に良かったので欲が鎮火しました。
— 龍5150 (@ryu5150) November 22, 2020
コロナの影響もあって今は人前で演奏する機会が無いのですが、次ライブやる時はこれ使おうと思ってます。
楽しみだぜ。